私たちの体は37兆の細胞が集まってできていて、毎日その約1%が新しい細胞に交換されて続けているそうです。それが新陳代謝です。たった1秒間に約400万の細胞が私たちの体の中で交換されています。
腸内環境を整えるには
腸活の目的は「健康な粘膜細胞を作ること」です。食事やサプリメントで栄養を摂っても、腸内細菌が働かないとそれらの栄養を吸収することができません。
食生活の改善
- 十分なタンパク質(1g /体重1kg)をとる
- 質の良い脂質をとる
- 水溶性・不溶性食物繊維を多く含む食品を摂取する(海藻、干し椎茸、野菜、果物、全粒穀物など)
- 糖質を控える
- 発酵食品を取り入れる(ヨーグルト、キムチ、味噌、納豆など)
- プレバイオティクス食品を摂取する(玉ねぎ、にんにく、バナナなど)
- NG食品を摂らない
体温を保つ
- 深部温度は37度で腸内細菌が一番よく働く。
- 冷え性の人は、体を温める食材を選ぶようにする。
適度な運動
- 適度な有酸素運動は腸の動きを活発にし、腸内環境を改善する
十分な睡眠と休息
- 質の良い睡眠は腸内環境の維持に重要
ストレス管理
- 過度のストレスは腸内環境に悪影響を与えるため、ストレス解消法を見つける
- ストレスを回避できるような考え方を学ぶことが大切。
水分摂取
- 適切な水分補給は腸の働きを助ける
- 水を1日に1.5〜2L飲む
プロバイオティクスサプリメントの利用
- 医師や専門家に相談の上、必要に応じて利用する
抗生物質の過剰使用を避ける
- 必要な場合のみ使用し、医師の指示に従う
規則正しい生活
- 食事や排便の時間を一定にするなど、生活リズムを整える
発酵食品が腸内環境に良い理由は?
プロバイオティクスの供給:
発酵食品には生きた有益な微生物(プロバイオティクス)が含まれており、これらが腸内細菌叢のバランスを整えます。
消化の助け:
発酵過程で食品の一部が分解されるため、消化が容易になります。
栄養価の向上:
発酵によって、ビタミンやミネラルなどの栄養素が増加したり、より吸収しやすい形に変化したりします。
有害物質の減少:
発酵過程で、食品中の有害物質や抗栄養因子が減少することがあります。
免疫機能の強化:
腸内環境が改善されることで、体全体の免疫機能が強化されます。
腸の健康維持:
発酵食品に含まれる乳酸菌などが、腸の粘膜を保護し、健康維持に貢献します。
抗炎症作用:
一部の発酵食品には抗炎症作用があり、慢性炎症を抑制する可能性があります。
気分への好影響:
腸内環境の改善が脳-腸相関を通じて気分にも良い影響を与える可能性があります。
腸内環境と心の関係
近年の研究で注目されている分野です。この関係は「脳腸相関」または「腸脳相関」と呼ばれ、以下のような点で関連しています:
神経伝達物質の生成:
- 腸内細菌は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を生成します。これらは気分や感情に大きな影響を与えます。
- セロトニン(幸せホルモン)の95%は腸で作られる。脳で合成されるのは、ほんの5%のみ
迷走神経を通じた通信:
腸と脳は迷走神経を通じて直接つながっており、互いに情報をやり取りしています。
炎症との関係:
腸内環境の乱れは全身の炎症を引き起こし、これが抑うつなどの精神症状に関連する可能性があります。
ストレス反応:
腸内環境はストレスホルモンの分泌に影響を与え、ストレス反応を調整します。
免疫系への影響:
腸内細菌は免疫系に影響を与え、これが間接的に脳機能や精神状態に影響を及ぼします。
不安やうつとの関連:
腸内細菌叢の乱れが、不安障害やうつ病などの精神疾患のリスクを高める可能性が示唆されています。
自閉症スペクトラム障害との関連:
腸内環境の乱れが自閉症スペクトラム障害の症状に関連している可能性が研究されています。
食欲や食行動への影響:
腸内細菌は食欲や食行動にも影響を与え、これが間接的に精神状態に影響を及ぼす可能性があります。
このように、腸内環境と心の健康は密接に関連しています。健康的な腸内環境を維持することは、精神的な健康を保つ上でも重要だと考えられています。ただし、この分野の研究はまだ発展途上であり、今後さらなる研究が期待されています。
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